仕事を探すときに見るべきは「できること」「やりたいこと」「求められること」。
北三平さん(NPO法人利根川流域交流会監事)は1960年1月、日立製作所の課長から中途採用の紹介があり、採用試験に受かったものの、入社をためらっていた。
“ そのころは中小ながら将来性のある企業で、楽しく仕事に励んでいましたし、3月に結婚式を控えていました。何度も紹介者とやり取りをしましたが、いつも「来てほしい」と言われます。
その年の8月、課長と話をしました。実際に対面すると、会社や働く人のイメージががらりと変わり、入社を決めたのです。”
<ゲスト紹介>
北三平(きた・さんぺい)。
NPO法人利根川流域交流会監事。
『ユートピア: クルマのない村、西益津村の物語』の著者。
また北さんは現在、所属するNPO法人で、国交省から依頼されたバイオトイレの実証実験をしている。
バイオトイレとは…好気性微生物の活動によって排泄物を分解する、水をほとんど使わないトイレ。
<北さんの行った研究>
◯河川1.5kmに3台、トイレを設置
◯週2回の清掃
◯チェックリストによるデータの収集
“ 大学教授に交じって研究に加わりましたが、メーカーで培ったことが役立っていると感じます。研究報告会や国際シンポジウムに参加でき、特許も取得できました。”
「できること」「やりたいこと」「求められること」が合致する場所によって、仕事で輝ける。また挑戦を続けられる人は、新しい場所でもどんどん成果を出せる。自分のスキルを、より活かす方法を常に探求しよう。
仕事は継続が評価される。しかしスキルアップや経験を増やすためなど、前向きな理由から転職をする人も多い。進むべき道を迷っている人に、北さんはエールを送る。
“ やる気になれば、なんでもできる。さまざまな挑戦をした結果私は、経験したことのなかった多くを学びました。他の道と比較なんてできませんが、この道を選んで本当によかったと思っています。”