ひとり好きでもひとりで生きていくことはできない。
老いと向き合いながら社会とつながり、人とともに生きる大切さを知ろう!
2019.08.29 11:00
|平成から令和へ。日本人がこれからの目指すべき方向はどこか?ネガティブな宗教観の誤解を解く。
佐藤|
現代の日本において、宗教の話題はタブーという雰囲気があります。しかし、2020年の東京オリンピックなどで様々な宗教観を持った人たちが集まることを考えると、もっと互いに尊重しあい、自由であるべきです。
元大分県地方公務員の徳丸一守さんにお聞きします。そもそも、日本人はどんな信仰心を持っている思いますか?
徳丸|
日本の宗教は遅れている、日本人は信仰心がうすい、などと聞いたことはありませんか?
それは、日本が神仏習合を核心としていることと、「無宗教である」、「宗教は信じない」という人が多くいることが影響しているのだと思います。
ですが、私はそれは違うと考えています。なぜかというと、そもそも宗教のとらえ方が違っていて、宗教への偏見が生じたうえでの批判にすぎないからです。
日本は宗教先進国であり、実は信仰心が厚いと思っています。
佐藤|
具体的に、どんなことからそう思いますか?
徳丸|
世界的に見て、日本は奴隷制や宗教戦争がなく犯罪の少ない国です。神仏の教えが守られているといえるでしょう。そんな国民の信仰心がうすいはずがありません。
佐藤|
日本人の真面目な国民性は、「教えを守る」ことと関係があるのかもしれませんね。
徳丸|
世界では一神教が主流です。ほかの宗教を容認できず、排他的で紛争が生じやすい宗教です。逆に、神と仏をともに信仰していることから批判される日本の宗教は、紛争とは無縁の平和をもたらす共存の宗教です。
日本は、神社仏閣や宗教施設が世界で最も多いと言われています。これは厚い信仰心の賜物です。
佐藤|
そんな国民性をふまえて、これからはどんな時代になっていくと思いますか?
徳丸|
まず、令和の「令」とは神意にしたがうことを意味します。「和をもって尊しとなす」を国是とし、年号としたのが令和です。平和憲法遵守、和をもって世界と交流することを宣言しています。
二十一世紀、地球は宇宙船地球号と呼ぶべき星であることがあきらかになりました。世界は共存する以外に選択肢はありません。これからは平和共存の発信基地・拠点として、世界に和をアピールしていかなくてはなりません。平和をもたらす青い鳥は日本にいることを自覚する、国民の覚悟が問われる時代になるでしょう。
佐藤|
日本は宗教の面から考えると、人とともに生きていくための素質があるのだと感じました。しかし、時代の変化とともにその素質の活かし方が変わってきています。社会とどうつながっていくかは、令和時代を生きる私たちの課題です。後編では、老いとの向き合い方を掘り下げていきます。