2020.01.28 17:00
悪口ばかり言う人の心理とその末路
誹謗中傷への対応は相談からはじめよう!
世間話をしているとき、その場にいない人の悪口大会がはじまったことはありませんか?
時に悪口は、人間関係を固く結びつけます。
悪口に同調してしまったら最後・・・
明日は我が身、その場しのぎで「そうだね」などと絶対に言ってはいけません。悪口が好きな人は、あなただけでなくいろいろな人に話しています。
まるであなたが中心で言った悪口かのように、嬉々として話しているかもしれません。
最近はSNSで心ない誹謗中傷を目にすることが増えました。ネット上の誹謗中傷は、匿名で顔が見えないため、エスカレートしやすいです。対面と匿名どちらでも、会話には必ず相手がいます。
そこで今回は、2人の作家に話を聞き、人とのコミュニケーションで大切なことを考えながら、誹謗中傷に巻き込まれたときの対応を考えていきます。
会話とは卓球だ!
川合二三男さん(元教師)は、人と会話をするときに大切なことを教えてくれた。
“ 人間関係は、お互いにゆずり合わないと成立しません。どちらか一方が自分の話したいことを話し、相手はその話をよく聞く。そして、聞いた方が自分の考えを話す。その繰り返しが会話です。”
会話は相手がいるから成り立ちます。自分が話しているときに相手が聞いていない様子だと、話す気がなくなるでしょう。逆に、相手に話す隙を与えず自分の話ばかりしていたら相手は疲れてしまいます。自分の話を聞いてほしかったら、相手の話を聞くことも大切です。
“ 会話はピンポン(卓球)であるという人もいます。卓球が上手な人の試合を見ると、相手の打つ球をよく見極めて、それをうまく打ち返しています。”
「相手の様子を見ること」は会話をするときにも大切にしたいことです。
悪口ばかり言う人の末路
悪口ばかり言う人は最終的に孤立する、と川合さんはいう。
“ 会話は相互理解の上に成り立っています。誹謗中傷ばかり言う人は、「自分は正しい、他人は正しくない」と自己中心的な考えなのでしょう。自らを省みるゆとりがないということです。こういう人は、友人ができません。
趣味や仕事、ご近所さんなどの人付き合いで、メンバーが変わるたびにその場にいない人の悪口を言います。それを聞いた人たちは、「私も悪口を言われている」と思い、次第に距離を取るようになります。
本人が自覚してあらためない限り、だれも教えてくれません。信頼されずに嫌われて、孤立した寂しい人生を送ることになるでしょう。”
何事にも否定的なコミュニケーションの取り方は、本人が気づかぬ間に習慣化しています。一緒になって悪口をいう人も、その人のことが本当に好きで仲良くしているわけではないでしょう。
「自分も悪口を言われるかもしれない」という恐怖心から、仲間のフリをしているだけかもしれません。環境を変えることは勇気がいりますし、「なぜあの人のために自分が変わらなきゃいけないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし相手の考え方や行動を変えるのは難しく、できたとしてもかなりの時間とエネルギーが必要です。自分のために時間やエネルギーを使いたいですね。
悪口と誹謗中傷の違いとは?
「誹謗中傷」は1つの言葉として使われがちですが、2つの言葉が合わさっています。
〇誹謗 他人の悪口を言うこと。
〇中傷 根拠のない悪口を言い、他人の名誉を傷つけること。
<出典:大辞林 第三版>
「根拠の有無」と「相手の名誉を傷つけるかどうか」、これが単なる悪口との違いです。根拠もなく被害者面する人には注意が必要だと銭天牛さん(占星術師)は、いいます。
“ 残念ながら、誹謗中傷する人のなかには、加害者意識がない人も多くいます。なにか自分にとってマイナスな問題が起きたとき、その原因を他人のせいにする人には要注意です。自分にも原因があるか考えもしない人は、他人の悪いところばかり探しています。
そういう人とはかかわらないことが最善策だと思いますが、因縁をつけてくる場合もあります。だれかに指摘される前に「お前のせいだ(自分は悪くない)」と保身的な発言をしたり、直接関係のないことで言いがかりをつけてくる、といったことです。
日頃の会話で論点をずらすような人は、いざというときにも逃げます。自分以外の人を利用する対象としか考えていないので、結局は人が離れていくでしょう。”
狭いコミュニティに固執して傷つくよりも、自分にとって居心地がよい場所で楽しいと思える時間を過ごしてください。それが直接会える関係性かネット上のお付き合いなのかは問題ではありません。「この人と時間を過ごすときの自分が好き」と思える人を大切にしましょう。
誹謗中傷は犯罪!困ったら法的手段も考えよう
軽い気持ちで言ったこと・書き込んだことでも、相手や周囲のとらえ方によっては大事になります。「自分がどうか」ではなく、「相手がどうか」が重要だからです。誹謗中傷はつぎのような犯罪にあたる場合があります。
〇名誉毀損罪
3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金
→不特定多数の人へ、社会的地位を低下させるおそれのある事実を摘示して広めること(真実であるかは問わない)
〇侮辱罪
拘留(1日以上30日未満の範囲で、刑務所などの刑事施設に入れられること)または科料(1000円以上1万円未満の範囲で、お金を支払うこと)
→不特定多数の人へ、社会的地位を低下させるおそれのある事実を摘示せずに広めること
【例】
〇名誉毀損罪
職場の人たちが見ている前で「〇〇の業務でミスをしたのはAさんだ」
〇侮辱罪
職場の人たちが見ている前で「Aさんはバカで仕事ができない、使えない」
※罪になるかどうかは、発言の公共性がポイントです。
“ 私は誹謗中傷する人に対しては完全無視、言いたいだけ言えばよいと考える方ですが、そう思わない人もいますよね。自分1人でなんとかしようとせず、警察や弁護士などの専門家に相談してみましょう。逆恨みされる可能性を考えると怖くもありますが、専門家はそれについての対応策も知っています。”
警察には、ネット上の書き込みについても相談できる窓口がある。
“ また相談する際には、事実を包み隠さず正直に話しましょう。さまざまな事情があって言いたくないこともあると思いますが、隠し事をすると事実確認に時間がかかりますし、結果的に損をします。泣き寝入りするよりかはマシですから、どうか勇気を持ってください。”
この記事のまとめ
✔︎ 会話は「相手の様子を見ること」が大切。ゆずり合いがあって成り立つ。
✔︎ 悪口ばかり言う人は色々な人に言っている。聞いた人は「自分も言われているかもしれない」と思って距離をとるようになる。
✔︎ 誹謗中傷は根拠が不明で、相手の名誉を傷つけるもの。他人のせいにする人は要注意。
✔︎ 誹謗中傷は「名誉毀損罪」「侮辱罪」などの犯罪にあたる場合がある。犯罪になるかどうかは、公共性の有無などによる。
✔︎ 自分にとって居心地がよい場所で楽しいと思える時間を過ごそう。
✔︎ 困ったときは、警察や弁護士に助けを求めよう。正直に話し、専門家と一緒に対策を考えよう。
(執筆:佐藤志乃 / 制作:一条恒熙)