2020.07.02 15:00
自粛で生まれた新しい観光の形とは?
オンラインで楽しみつつ、行ける日を思い描こう

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新型コロナウイルスの感染拡大は、さまざまな場所に大きな影響を与えている。人混みや都道府県をまたぐ移動の自粛が求められた今年は、観光も自粛する人が増えた。

<2020年4月の、観光関係業界における影響>

宿泊予約
86%の施設で、予約が前年より70%以上減少

貸切バス
92%の事業者で、運送収入が前年より70%以上減少

輸送人員
国際線は前年より97%減、国内線も86%減 など

<参考:国土交通省/新型コロナウイルス感染症に伴う関係業界の影響について>

例年であれば、4月5月は桜やゴールデンウィークで人がにぎわう季節になるため、経済的な影響も大きい。3月の時点で中止を決定した夏や秋のイベントもあるため、今後も観光への影響は続いていくだろう。

そんななか、新たな取り組みを導入する自治体が増えている。観光業界を救うため、私たちにできることはないだろうか。それぞれの工夫を見ながら、今後の観光について考えていく。

家にいても観光気分が味わえる?

自粛ムードのなか、「どこかに出かけたいけど、まだ外出はできないな」と考えている人も多いだろう。そうした状況で、オンラインで観光気分を届ける取り組みが増えている。

香川県のバス会社は、「オンライン・バスツアー」をはじめた。事前にしおりと料理が届き、旅気分をしっかり味わえる。また自己紹介や解説を通じて、実際のバスツアーのようにコミュニケーションが取れる。石見神楽を鑑賞したり、オンラインショップでお土産が購入できたり、サービスは多い。

インターネット上で展示を公開する、美術館や動物園も多い。群馬県はさまざまな施設が動画などを配信しており、桐生市のYoutubeチャンネルでは、桐生が岡動物園の動物の様子が楽しめる。神流町恐竜センターは、Google Mapを用いて展示が360度見られるようになっている。

また、オンラインでの特産物の販売が人気を集めている。地域応援のため、多くの自治体が新たにサイトをつくるなどの取り組みをはじめた。4月10日にオープンしたサイト「オンライン北海道物産展」では、中身の見えない詰め合わせセットが販売された。発送まで10日から30日かかるものの、注文は殺到したという。

STAY HOMEを実践する人たちに向け、自治体はさまざまな形でその土地の魅力を発信している。こうした期間にしかできない楽しみとして、気になる地域があれば調べてみよう。


「今は来ないで」いつか行ける日を思い浮かべよう

「今は来ないでください」

ゴールデンウィークを前に、多くの地方自治体が表明した。冷たいメッセージではない。島根県の「早く会いたいけん、今は帰らんでいいけんね。」など、「感染が収束したらきてほしい」という優しいメッセージも話題となっている。

しかし経済的な理由により、長い歴史がありながら廃業に追い込まれる旅館や飲食店が多い。いずれ行きたい場所があれば、飲食店や宿泊施設を支援するためのシステムがある。

運営継続の資金を集めるため、多くの施設がクラウドファンディングを開始した。リターンとして、営業を再開したのちに使えるチケットを提供する施設が多い。このように将来の旅行に向けた、先払いシステムが多く導入されている。

たとえば花巻観光協会は、花巻市内の飲食店や宿泊施設を支援するためのサイト「がんばれ花巻応援チケット」を立ち上げた。花巻市内の施設で食事券・宿泊券として使用できるチケットを先に購入し、7月1日から12月27日に使用できる。

6月1日から、首都圏や北海道をのぞき、県をまたぐ移動の自粛が緩和された。今後の感染人数次第で、自粛ムードは薄れていきそうだが、警戒は続いていくだろう。

しかし延期されていたオリンピックもあり、国を超えた移動が再開すれば、また多くの観光客が日本を訪れることも想定される。航空会社は座席の間隔を開け、鉄道も換気を行いながら、消毒やマスクの着用を徹底して運営していくという。感染対策を続けながら、地域が元気になっていくことを願う。

地方がそれぞれできることを提供し、現地に行けない私たちも、応援できる場がある。暗いニュースが多い時期だからこそ、将来に目を向け、今できる楽しみ方を考えてみよう。


この記事のまとめ 

✔︎ 新型コロナウイルスの感染拡大により、観光事業が影響を受けている

✔︎ オンラインツアーや特産品のオンライン販売などで、地域の特色を届ける自治体が増えた

✔︎ 先払いシステムで、宿泊施設や飲食店を応援できる

✔︎ 将来に目を向け、今できる楽しみ方・支援を考えよう

(執筆:林幸奈)

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