第三章
徹底的な自己分析、グローバルな行動力を身につけるためには。
上田友彦(昭和女子大学名誉教授)
>上田友彦さん(昭和女子大学名誉教授)は、「エスペラント」との出会いで世界が広がったという。中学生の教科書で知り、大学教員時代に理解を深めていった。
【エスペラントとは】
1887年、ヨーロッパの言語をもとに造られた国際共通語。
創案者:ポーランドの眼科医 ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ。
民族や言語を越え、お互いに歴史や文化を尊重することが目的である。<
参考:一般社団法人日本エスペラント協会>
上田さんが、グローバルで公平な物事の見方になるきっかけは一体何だったのか。
大学生のときに「倫理学の根本問題」という授業で尊敬する教授と出会い、大きな影響を受けました。
教授の考えを聞き、そこからディスカッションする授業でした。物事を徹底的に考察すると視野が広がることを実感し、概念を自分のものにしていくプロセスを学びました。
ほかの生徒から多様な物事の見方を知れる、よい機会でもありました。
この自己と向き合う姿勢が、上田さんの現在の活動に活きている。「エスペラント」を使う同志、「エスペランチスト」たちと将棋を通して日本の伝統文化を世界に発信する活動だ。
自身がイメージする未来のために必要だった「エスペラント」は、新しい世界に飛び込むときのハードルを下げ、世界や人とつながりやすくした。
自分がどのような人生を送るかイメージし、充実した未来になるよう、可能性を追求しました。
そのために必要なのは、能力・経済状況・性格などを徹底的に分析することです。夢物語で終わらせず、行動した結果の今があります。
私の人生の原点は、大学時代の授業にあることはたしかです。
民族も文化も違うたくさんの「エスペランチスト」たちが仲間となり、人生の岐路でアドバイスをくれたと語る上田さん。そのおかげで、人生が好転したこともあったという。自分の置かれている狭い範囲にこだわる必要はない。一歩踏み出す勇気を持とう。
まとめ
3人の作家が語った話の共通点に、たくましく学ぶ姿があった。
シャイで受け身だといわれることが多い日本人。いま求まられる自己表現スキルを、能動的に身につける方法とは・・・
〇本をたくさん読んだ人は、さまざまな言葉が自身の血肉となり、表現力となる。
〇学んだ知識に対して自分なりの疑問を持つこと、自分の言葉で自分の意見を語ることが「能動的な姿勢」である。
〇なりたい自分を具体的にイメージしよう。
自己分析をもとに必要なスキルを身につけると世界が広がる。たくさんの本を読み、たくさんの人と接し、行動で自分の未来を切り開いていきたい。