Episode 2
広い視野で地球の未来を見つめる
人類から欠如した倫理観を取り戻そうとする研究者。
研究者たちが見つめているものは私たちが思う以上に大きい。
エネルギー問題を深刻にとらえ、経済中心から精神中心の文明への転換を訴え続けている村田光平さん(元在スイス大使)は、一人ひとりが倫理観と向き合うべきだという。
私たち人類は、「倫理の欠如」という大きな問題に直面しています。いまの自分に目を向けた利益ではなく、未来にどんな利益を与えられるか、もっと考えていくべきです。
そのために、軍国主義のなごりである競争や対立の父性文化を捨て、調和と連帯を大切にする母性文化へ転換するときではないでしょうか。
とくに未来の利益のために深刻なのは、人類や地球の安全にかかわるエネルギー問題です。
必要なエネルギーは自然・再生可能エネルギーでまかなっていき、短期的犠牲を払ってでも原子力エネルギーを使用しない生活様式が求められます。私たちには、その覚悟が必要です。
再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどからつくられるエネルギーで、温室効果ガスを排出しないのが特徴だ。