2021.6.15 11:00

親離れ・子離れしたくない人が増えています。 子どもの意志と親の心配、大切にしながら独立するには



親離れ・子離れしたくない人が増えています。 子どもの意志と親の心配、大切にしながら独立するには

執筆:SOCIO編集部 林幸奈

人はいつから、大人になるのでしょうか?2022年4月1日から、成人年齢が18歳に引き上げられます。しかし20歳で成人式を迎えても学生生活が続き、「自分は本当に大人になったのか」と感じる人もいるでしょう。

大人になるための1つのステップとして、親離れがあります。経済状況・互いの健康・介護など、さまざまな事情はありますが、近年では、親と同居する未婚者の割合も増えています。2016年の親と同居の若年未婚者(20〜34歳)は908万人で、親との同居率は20〜34歳全体の45.8%でした。壮年未婚者(35〜44歳)は288万人で、35〜44歳全体の16.3%になります。
<参考:総務省統計研修所/親と同居の未婚者の最近の状況(2016 年)>

別の場所で暮らしていても、頻繁に連絡を取り合ったり、会う約束をしたりする人も増えています。なかには就職をして親元を離れても、大事な決めごとは親に相談する人も増えているようです。「一卵性母子」という、友だちのように仲のいい親子を指す言葉もあります。

しかし「母子依存」「実家依存症」など少し恐ろしい言葉も、耳にするようになりました。親離れできない背景には、子離れできない親の存在があるとされます。心配な親心から過保護になり、親の了承なしに行動していいかわからなくなってしまう子どもも多いのです。こうした環境によって社会に出たり、自分で家庭をつくっていったりするなかで、主体性のない人になる恐れもあります。

子離れ・親離れはいつから、どうはじめればよいのか考えてみましょう。


心配性な親に子が意志を伝えるには?

人は成長の過程で反抗期を迎え、自分の意見を受け入れてくれない親が疎ましくなるものとされてきました。しかし最近では、親の意見が気になって、自分の意思で行動できない人が増えています。

たしかに子どもにとって、親の意見とは大きな存在です。自分の選択を親が認めてくれず、大きく否定された気持ちになった記憶のある人もいるでしょう。しかし、選択した道を歩くのは自分です。また「大人になってからいろいろ決めよう」と思っていても、定着した習慣や親子関係を変えるのは難しいものです。

親は子が心配で、意見や行動を否定することもあります。幼いころは「そんなことをしたら危ない」、就職活動中には「大きな会社に入った方が安心」など、注意をする習慣がついているのです。しかし親の心配を解消することが、すべて意見を取り入れることと、必ずしもイコールになるわけではありません。ただ親の意見を受け入れるのではなく、話し合い、意見や考えを伝えることで解決を試みましょう。

「相談相手が親だけ」という人は、友人や会社の同僚・上司など、相談相手の幅を広げてみましょう。ひとつの目線だけでは見えないことがわかり、視野を広げて最善策を見出せます。歳の近い仲間と相談した方が、共感してもらえることも多いかもしれません。

自分だけで物事を進めるのが不安な人は、事前に決めてから報告する手段もあります。買ったものや休日の予定など、小さなことから事後報告をはじめてみましょう。子どもが自分で物事を決定し、自立できる環境が理想です。同時に子どもは、親が心配で意見していることを心に置いた上で、広い視野で納得してもらえる意見を伝えましょう。



子離れのため、親が心がける行動とは?

親離れと同時に考えるのが、子離れです。近年では成人式や、大学の卒業式に参列する親も増えています。学生生活が長く、手をかける子どもでいる期間が伸びている傾向にあるのかもしれません。

行動面の改善については、幼い子どもがいきなりはじめるには不安が大きいため、親から機会を与え、徐々に1人での行動に慣れていきましょう。1人暮らしをするのが最も有効だ、という意見は強いですが、同居しているなかでも積み重ねていけることはあります。

1人立ちの練習になるもの
◯朝は自分で起きるようにする
◯家事を手伝わせる
◯お小遣い制を導入し、お金を計画的に使う練習とする

「今日は学校でなにをしたのか」「誰と出かけるのか」など、外で子どもがなにをしたか、心配や興味で尋ねる親も多いですよね。そこでもすべてを聞き出そうとせず、元気な表情を見て安心する習慣をつけて見てはいかがでしょうか。また親も趣味や友人と会うなどして、自分の時間をつくってみましょう。自分の時間をもてる親は、自立を学ぶ上で手本となります。

親が手や口を出してしまう背景には、子に対する心配があります。しかし、手を貸さずに見守ることで、「1人でもなんとかなる」ことがわかり、お互いの独立を進めます。子どもを理解し、少しずつ貸している手を離していきましょう。



この記事のまとめ 
  • 親離れ・子離れできない人が増えている
  • 子どもは親の意見をただ受け入れるのではなく、自分の意見を伝え、話し合うことが大切
  • 相談相手や決定の場を、少しずつ親から話してみるのも有効
  • 親はなんでも手を貸さず、子が一人で行動する習慣をつけさせる
  • それぞれの意思は尊重し、お互いの独立を進めよう

 

今回のコメンテーターからのご意見
薄井宏彬 (うすい ひろあき)
現在、会社経営のかたわら、エッセイストとして、会社/社員研修、学校/図書館/全国自治体、文化センター/カルチャーセンターなどでセミナーや講演活動中。『今こそ「家族」を取り戻せ:現代人が忘れた日本という国の根底を改めて考える(22世紀アート)』の著者。

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最近よく言われるように、日本は裕福になり日本人は劣化した。そのため、親は子供と本気で向き合わず、子供を甘やかせてしまい、子供をペットの如く溺愛し、子供を離したがらず、子供たちも自立するより、親と同居し、ぬくぬくと育てられ、腹一杯食べさせてもらう方を選ぶ。そこには、何の努力もしない、ハングリー精神など全くない子供ができてしまった。親は子供との交流が減り、子供には要求通りに、ゲームやスマホなどを買い与える。だから子供も独り立ちして暮らそうという意気込みがない。

でも、それは本当に日本が裕福になったからだろうか疑問だ。小生が留学し、長年駐在したドイツは日本に劣らぬ裕福な国だが、「親離れ、子離れ」が当たり前だ。日本人の多くは、子供にお金をかけて何かをしてあげることが親の役目と思っているようだが、ドイツの親たちは自ら質素にふるまい、子供にしつけを教え、自立をはかるからではないだろうか。彼らはテレビを見たり、ゲームやスマホをする時間を減らし、外で一緒に遊び、互いに心の絆を深めるべく努力している。

裕福になったことはいいことだが、日本の親は子供にもっと我慢すること教えるべきで、子供の欲しがるものを何でもかんでも買い与えるべきではない。一緒に料理や、キャンプを体験し、また、世間知らずの学校の先生に頼るのではなく、地域社会の老人たちと一緒に、イベントや祭りに参加することにより、親の子離れも、子供の親離れもはかれるのである。
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