2021.1.18 17:00

「学び直したい」はスキルアップのチャンス。 長く活躍できる社会人をつくるリカレント教育とは


子どもにスマホを使わせるのは心配?

(執筆:林幸奈)

 

学生のころは「勉強が面倒だ」と考えていたけれど、最近は「あれが勉強できれば、仕事で役立つのに」と思う。そんな人たちに向けた、大人の学び直しが注目されています。

雇用環境も変わっているため「会社に入って就職すれば終わり」ではなく、その先も働き方を考える必要があります。仕事のスキルアップのため、専門知識を学びたい人が増えているのです。

またAIや技術によって業務が大きく変わる中で、知識が求められます。とくに時代の流れに敏感な若者は、必要性を感じているようです。学び直し・職業訓練が必要になる可能性は「極めて高い」「高い」と答えた人の割合は20代が54.5%、30代が52.5%となっています。
<参考:総務省 情報流通行政局/ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究 報告書 2018年3月>

多くの人がカルチャーセンターや通信教育を利用する、独学で進めるなど、働きながら知識を身につけているでしょう。最近では社会人が大学や専門学校など学びの場に出て、知識をつけてから労働の場に戻るリカレント教育が脚光を浴びはじめています

個人や社会のスキルアップに役立つ、大人の学び直しについて考えます。



海外では11%の大人が学校で学びなおす


社会人の意識調査において、89%の人が再教育を「受けたい」または「興味がある」と回答しています。
<参考:文部科学省/社会人の学び直しに関する現状等について>

リカレント教育のメリット
  • 学習効率が高い
  • 勉強に集中できる
  • 人脈が広がる
  • 履修証明が出る

海外では、社会に出てから必要なスキルを見極め、大学に入る人は珍しくありません。OECD諸国を見ると25~64歳のうち、大学などの機関で教育を受けている人は平均で11%いるとされます。しかし日本の割合は2017年次に2.4%で、世界的にみて低い割合でした。
<参考:内閣府/平成30年度 年次経済財政報告 第2章 人生100年時代の人材と働き方>

今の日本では「本当に学校での学びが必要なのか」「仕事の中では学べないのか」と考えられる風潮もあり、仕事を休んで学校に通うことは難しいとされます。リカレント教育は、時代の流れに対応できる専門的な人材育成ができます。仕事をしていない高齢者や女性が、知識をつけ復職するきっかけにもなるため、企業にもメリットは大きいものです。

しかしスケジュールや費用など、不安な面は多いのが現状です。そこで国や大学は、学び直しについてのサポートを行なっています。



企業も国から助成金が受けられる?


認定を希望した大学・大学院・短期大学・高等専門学校では、文部科学大臣が認定した、職業実践力育成プログラムがあります。修得できる能力が明確に設定されており、修了証明書も交付されます。令和元年5月時点で、261課程が認定されました。

職業実践力育成プログラムのうち、大学などが希望し、厚生労働大臣の指定を受けたものについては、教育訓練給付金の支給を利用できます

専門実践教育訓練給付金(正規・特別の120時間以上の課程)
  • 6か月ごとに受講費用の50%(上限年間40万円)を支給
  • 課程修了後1年以内に資格取得等し、雇用保険の一般被保険者として雇用された、引き続きされている場合には、受講費用の20%(上限年間16万円)を追加支給

専門実践教育訓練給付金(正規・特別の120時間以上の課程)
  • 特定一般教育訓練給付金(特別の60時間以上120時間未満の課程)
  • 受講終了後に受講費用の40%(上限40万円)を支給

また従業員に教育訓練を受講させる際、費用負担がある企業には、経費や賃金の一部に助成が受けられます。
<参考:文部科学省/職業実践力育成プログラム(BP)パンフレット>

スケジュールについても、週末や夜間などで取得できるプログラムなど、社会人に取りやすい形を大学も考えています。プログラム内容や助成については、条件や大学ごとに異なるため、事前にしっかり調べましょう。

変化する時代の中で長く働くため、自分の能力を見直し、新たな知識をつける時間が必要となります。働く中で「学び直したい」と思うときが、スキルアップのタイミングです。まずは学び直し・リカレント教育について知り、自分にどんな知識や技術が必要か考えて見ましょう。



この記事のまとめ
  • 社会人の大学などによる学び直し「リカレント教育」が注目される
  • 最先端の技術・専門的な知識を身につけたい人が増えている
  • リカレント教育には、スケジュールや費用の問題がある
  • 国の指定したプログラム・助成金などのサポートが、条件次第で受けられる



今回のコメンテーターからのご意見

・小寺 照義(こでら・てるよし)

 『【電子書籍版】インド哲学0は今 −アジアの魁によせて−』 の著者。小寺塾代表。

写真

いまの社会において、社会の方向性をよく把握し、よく知ることが必要ではないかと思う。なぜかというと、東洋と西洋の間には今も文明的ギャップが存在しているからである。 アメリカは、ニューヨークの世界貿易センター拠点地にグランド0(ゼロ)の名前を付け、ここは世界の文化と経済の中心とのコンセプトを示した。

しかし、それでは 0(ゼロ)は点という意味であり、それ以外の何も表せないものになる。 インドに発見された 0(レイ)は七世紀初頭と言われているが、この影響を早くに受けた中国では、人間の完成=「無」、とキャッチしている。

「無」とは偕老同 穴(老夫婦が腰をかがめ死んで同じ墓に入る)の思想であり、子どもを育てて家庭を繁栄させること、そして経済の発展にも大きく乗れる思想である。

学びたいは、スキルアップのチャンスです。私は十五年前にこの東西思想のギャップを解消し、個人と社会のスキルアップに努めたいと思い有限会社小寺塾を開設し、現在も開講中です。
コメント: 0