「今日はどうされましたか」そう言われても、なにから伝えたらいいのかわからない。診察が終わってから、あれも言った方がよかったかな……と、気になることを思い出す。
病院に行く際、なにを話せばいいのかわからなくなった、という経験はありませんか?
病院にかかる患者が意識する、
「新医者にかかる10箇条」があります。
新医者にかかる10箇条
- 伝えたいことはメモして準備
- 対話の始まりはあいさつから
- よりよい関係づくりはあなたにも責任が
- 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
- これからの見通しを聞きましょう
- その後の変化も伝える努力を
- 大事なことはメモをとって確認
- 納得できないときは何度でも質問を
- 医療にも不確実なことや限界がある
- 治療方法を決めるのはあなたです
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<参考:厚生労働省/NPO法人 ささえあい医療人権センター>
治療や薬の服用を決めるのは、医師だけではありません。
患者には、きちんと症状を伝え、どんな治療を受けるかを決定する権利があります。病院にいく前に知っておきたい、医師と患者が納得するための伝え方について考えましょう。
医師に症状が伝わりやすくなるには?
医師は患者の話を聞いて、治療方法を考えていきます。ここで話の食い違いがあると、誤診や症状の悪化につながります。
また最近では、事前にインターネットで情報を集める人も多いようですが、知識のない私たちが自分にあった情報を集めるのは難しいものです。短い診察時間でもしっかり必要な情報を伝えるため、できることを考えましょう。
まず病院に行く前に、
伝えたい症状や、医師に質問したいことをまとめましょう。10箇条の最初にあるように、メモをしておくとわかりやすいです。服用薬や、過去にアレルギーを起こした薬があれば、お薬手帳を一緒に持参すると、説明がしやすくなります。初診の場合は、病歴もわかりやすくまとめておきましょう。
最も大切なことは、
自分がどの症状を一番治したいかです。「なんとなく身体がだるい」というときもあるかもしれませんが、「続いている微熱を抑えたい」「頭痛がひどい」など、具体的な方が医師も助言がしやすくなるでしょう。
症状を伝える際には、
いつから起こったか・痛みが強くなったかなどを、時系列ごとに説明をしていきます。言葉にしにくい場合は、痛い場所を指して説明すると、誤解なく伝わります。身体に起こった変化も、病気の原因やひとつの症状になることもあるため、体重の増減やその時なにをしていたかなど、
気になることは話していきましょう。
症状を伝えたところ、病名が出て、治療法や服用薬が指示されました。ここで「自分は症状を伝えたし、専門家の指示なのだから間違いない」と、そのまま指示を受け入れてしまうのも、注意が必要です。
医師の指示はすべて受け入れなくてもいい?
インフォームド・コンセントとは「説明を受け、納得したうえでの同意」です。
これにより薬や治療の必要性がわからない、患者が途中で服薬をやめてしまう、というケースを避けられます。
現在は説明と同意があってから、治療がはじめられるようになっています。その場で決定せず、持ち帰って家族と相談して決めることも可能です。その際は、家族も納得できる説明が求められます。
どう治療するのかを決めるのは医師ではなく、患者自身なのです。治療をするかしないかも、最終的に決めるのは患者自身となるため、
治療や服薬についても理解する必要があります。わからないことは質問をし、メモを取ることも大切です。
患者が納得のいく治療で、早期改善ができるよう、病院や医師は努めています。治療・服薬だけに頼りきりでも、病状は改善しない場合があるため、生活習慣など自分で管理できる部分にも気をつけましょう。また敬意を払い、長く関係を築いていけるよう、診察時間や服薬を守るなど、
マナーや約束ごとを大切も大切です。
病気の治療は医師だけでなく、自分自身の問題です。医師に治療や服薬について任せきりだった人も、さらに自身の症状について理解を深め、医師とのやり取りを見直しませんか。
この記事のまとめ
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病院に行く前に、伝えたい症状や、医師に質問したいこと具体的にまとめておく
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治療には「説明を受け、納得したうえでの同意」が必要
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医師の話を聞き、わからないことは質問する
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治療や症状について、理解を深めよう
“
ヒトの一生は食べ、動き、休む、の繰り返しで、古今東西の養生訓は食事・運動・睡眠を強調している。三者を等閑にすると、降り注ぐストレスの雨に老化現象が加わり、身体不調や検査値異常を招く。
医師にかかるのは症状出現直後のことも、症状の持続反復後のこともあるが、小児は何も語らないし、救急搬送では症状を走り書きする余裕もない。長々と症状経過を書きとめての受診は、得てしていわゆる病気不安症(心気症)のことが多く、自分の辛さを何とか理解して欲しいという願望の表れであろう。
最近は情報通信機器を問診に使用する医師も登場しているが、診断治療の入り口は患者さんと医師との対面による言葉のやり取りが基本だ。診察室への入り方、挨拶の仕方、椅子への座り方、言葉の発し方などはすべて診断に役立つ。患者さんの訴えのすべてを暖かく受け入れてくれる傾聴技術に優れた医師に巡り合えるかが、その後の治療における選択の分かれ道にもなり、医師に聞いてもらえたという満足感が治療の一端になることもある。
良き伴侶選びに似て、良き医師に出会えるかは運に左右されるかもしれないが、まずは生活習慣の見直し、ストレス退治、抗加齢対策の実行により、病から遠ざかる生活態度の実践に努め、一旦医師の助けを求める場合には医者選びに腐心してほしい。”