2020.12.22 17:00

学校以外の居場所、オンラインで見つけませんか?
10代が先輩と交流・可能性を広げる「カタリバ」


飼えない人でもできる、保護猫活動。

(執筆:林幸奈)


「学校から帰ってくると、子どもが疲れてぐったりしている」「学校であったことや、悩みなどを聞かせてくれない」「引っ込み思案な子どもが心配。周囲とは仲よくやっていてほしい」元気がなさそうな子どもを見て、こんな悩みを抱える親も多いのではないでしょうか。

学校は多くのルールがあり、クラスや部活動でも自分の役割を考えて動くことを求められます。「多数決で自分の意見が通らなかった」「ルールが窮屈だけれど、みんなのように適応できない自分がおかしいのだろうか」など、集団と比べて「自分がおかしいかもしれない」と悩む子どもが多いようです。

「学校や周囲でうまくやってほしい」という親心は、時おり子どもにとって重荷になってしまうかもしれません。毎日が少し息苦しく感じたら、学校以外の場所で息抜きしませんか?

学校や家庭以外に安心できる場所があると、子どもに新たな出会いや可能性が広がります
。オンラインでも安心して交流できるサービスもご紹介します。


自分を出せない・相談できない息苦しさ

令和2年版「子供・若者白書」によると、「今までに、社会生活や日常生活を円滑に送れない経験があった」または「どちらかといえばあった」と回答した人は、13〜14歳で33.9%、15~19歳で 51.5%でした

  • とくに影響が強かった困難経験
    ・自分自身の問題(66.8%)
    ・学校の問題(29.6%)
    ・家族・家庭の問題(26.9%)

70%近くの10代が、自分自身について悩んでいます。またそのうち、30%は悩みを相談できていないようです。学校のように個人より集団を重んじる環境にいると「自分はどうあるべきか」と考えると同時に、誰かと比べて「どうして自分は、周囲に評価される人間になれないのか」と自信を失っていく若者が多いのではないでしょうか

  • 自己評価につながる周囲の環境
    ・声の大きい生徒ばかりに注目が集まる
    ・クラスで不本意な「役割」ができていると感じる
    ・同調圧力・空気を読むのに疲れた
    ・学校のルールや「当たり前」に適応できない
    ・クラスメイトとずれている自分は、変なのかもしれない
    ・親や先生の言う通りに行動するプレッシャー

子どもにとって、学校は大きな世界。常に顔をあわせている人たちとの関係が「ほんの少しのきっかけで壊れてしまったら……」と考え、自分を出さずに過ごし、ストレスをためることもあるでしょう。

こうした子どもの不安をやわらげるには、一人ひとりに寄り添うこと、身の回り以外の大人・異性・同世代と関わり、「自分が無理なく過ごせる関係や世界がある」と知らせることが必要です。


多彩な出会いと学びの「カタリバ」とは?

NPO法人カタリバは、多様な出会いと学びの機会を届け、社会に10代の居場所と出番をつくるための活動やサービスを開発・提供する団体です

 活動例の一部
  • 出張授業カタリ場
    学生のボランティアスタッフが中心となって、約2時間、高校生と本音で語り合う授業。
  • 大槌臨学舎
    震災に向き合う施設として、岩手県大槌町で立ち上がった。利用者は小学生から高校生まで幅広い。
  • おんせんキャンパス
    通学に困難を抱えている児童・生徒向け。子どもたちの再登校や継続登校、進路実現をサポート。

    カタリバの強みは、「ナナメの関係」。親や先生(タテ)、同級生の友だち(ヨコ)とは違った「一歩先を行く先輩」と、お互いを見つめあって成長していきます。<参考:NPOカタリバの強みについて>



カタリバ
NPO法人カタリバ 活動の様子


カタリバの目標は、さまざまな挑戦や可能性が、今いる環境のせいで見つけにくくなっている「きっかけ格差」をなくすこと。学校や家庭にない人との関わりで、今まで気づかなかった可能性への気づきを生んでいます。

また現在多くの子どもたちが、新型コロナウイルスの影響で、さまざまな可能性の「きっかけ」を見失っています。学校にいけない、今まで通りの部活動・習い事ができない、友だちと会えずにさびしい、漠然と不安感がある。そんな子どもたちの交流をつくるため、カタリバではオンラインサービスも実施しています


安全で学びのある、ネット上の居場所

オンラインサービスには、小・中学生向けの「カタリバオンラインfor Kids」と、中高生向けの「カタリバオンライン for Teens」があります

 カタリバオンラインfor Kids
  • 活動内容
    ・ホームグループでの、仲間と目標づくり
    ・1回50分(例外あり)の、学びと遊びのプログラム
    ・クラブ活動(ダンス・読書・音楽・工作・料理など)など
  • 時間:平日 16:00〜19:00/土日 10:00〜17:30
  • 料金:月定額2000円〜(詳しくはホームページをご覧ください)https://katariba.online/

 カタリバオンライン for Teens
  • 活動内容
    ・レギュラーコンテンツ:気軽におしゃべりをする「しゃべり場」、年上の先輩と語る「カタリ場」など
    ・ラボ活動:英語ラボ、プログラミングラボ、イラストラボなど
    ・特別プログラム
  • 時間:平日 18:00〜22:00/土日 10:00~20:00
  • 料金:無料
    https://katariba-teens.online/


カタリバオンライン for Teens
カタリバオンライン for Teens


「顔が見えないオンラインで、子どもに交流させるは怖い」と、心配になるかもしれません。カタリバオンラインでは、子どもと保護者が安心して利用するための配慮がされています
  • オンラインサービスで心配なこと
    ・リアルな場での関係構築と違う特性
    ・さまざまなもめごと
    ・声の大きな子と、一言も発せない子の差

こうした環境を子どもたちだけでつくらないよう、キャストが見守ります。

  • 安全を守るガイドライン・大人たち(キャスト)の存在
    ・安全を守るためのルール
    ・子ども同士がオンライン外でつながらない環境
    ・20年中高生と向かい合い続けた、カタリバのノウハウ
    ・キャストと呼ばれる大人たちの見守り
    ・ボランティアスタッフへの事前研修


オンラインで得られたものが、普段の学校生活にも活かされ、コミュニケーションが活発になったり自信がついたりしている様子が、利用者の声から伝わってきます。

利用した保護者の声
「娘の大人や男性に対する、恐怖心のようなものがなくなってきた。学校で男の担任の先生とも、コミュニケーションをとるようになったようです」

「自分の話だけでなく、他の人の話を聞けるため、みんなと話を広げていけるようになったと感じます」

「最近は学校のお友だちとも、カタリバで教えてもらったクイズや話題をするようで、輪が広がりました」

「子どもにとって、この上ない安全で学びのあるネット上の居場所。ネット社会へ入口としてオススメしたいです」


「こんなことができると気づいた」「自分以外にも同じ考えの人がいた」と気づくことで、子どもは周囲を気にして出せなかった発言や、行動ができるようになります。おうち時間が増えた今こそ、新たな交流を探してみませんか?
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