2020.11.09 17:00

「外国人との交流は難しい」と決めつけていませんか?
文化や言葉の壁はお互いさま。個人での対話を考えよう


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(執筆:林幸奈)



日本にはない海外の風景、文化に触れる番組をつい観てしまいます。最近は外国に住む日本人や、日本好きな外国人を取り上げる番組が増えました。日本人もよく知らないものにも詳しい外国人には驚く一方で、「知っている日本を挟まないと、違う国の人たちとは交流できないのか」「それは多様性を大切にしていると言えるのか?」と違和感をもつ人も多いようです。

身近で海外の人と交流する際にも、好きな日本食や日本文化を訪ねたり、「あなたの国ではどうなの?」と尋ねて答えに驚いたり、「違う国の人である」と確認しあうような話題が見られます。言葉や生まれ育った環境も違う人たちは、「どう接したらいいのかわからない」と思うために、こうした話題でつながりを感じたいのかもしれません。

日本にもさまざまな国の人がやって来るようになり、仕事や学校で接する、道を尋ねられて話すなどの機会がある人もいるでしょう。自分が知らない国に行って、知らない人と接することを想像したら、優しく接したいと思いますよね。なかなか勇気が出ない私たちは、今後どう外国人と接していくか、考えていきます。


「外国人だからわからない」と決めつけていませんか?

街中で日本人に話しかけられても緊張しないのに、外国人だとドキリとする。自分と違う色の髪や瞳の色から、意図せず「自分とは違う人だ」「英語や外国語で接しなくては」と意識しているのかもしれません。

また「外国人だからこう」「この国の人だからこう」と、話す前から国柄やイメージで相手を判断してしまう人もいるのではないでしょうか。しかし私たちの性格や個性も、日本人というだけでは説明できませんよね。

「自分が言われたら」と考えてみよう 
  • アメリカ人は、ハンバーガーしか食べないの?
    → 日本人は、寿司しか食べないの?
  • ブラジル人は、みんなサッカーが得意なの?
    → 日本人は、みんな相撲が得意なの?

お互いに、相手の言葉や文化がわからないのは一緒です。自分が「よくわからないけど、こうなんじゃないか」「話しかけにくい」と思うことがあるように、相手にとっては日本人が「生魚を食べるなんて驚いた」「曖昧な表現が伝わりにくい」と不思議な外国人になっている。そんな日本人に、勇気を出して道を訊いたのかもしれませんよね。

多様性というと大きな問題かもしれませんが、まずは目の前の相手を外国人ではなく、個人として対話するのが大切です。イメージや思い込みを捨て、自分から接していけたらいいですね。

海外コミュニケーション


「ルールがわからないだけ」見て見ぬふりも不親切かも

駅で困っていそうな外国人を見かけたが、話しかけるのをためらってしまった。さまざまなシチュエーションで「あれ?」と思う機会はあります。

  • 券売機、地図の前で立ち止まっている
  • 整列乗車などで、周囲と違う動きが見られる
  • 料金所で支払い方法がわからず、戸惑っている など

多くの場合は、やり方を知らない・もしくは自分の国と異なることが、背景にあるのではないでしょうか。「リュックサックは前に抱える」「降りる人のために道をあける」といった電車の乗り方は、言葉では説明されていないものの、当たり前となっていることですね。

「知らないなら仕方ない」「大したことではない」「誰かが助けてくれる」と、見て見ぬふりをしてやり過ごすのも、少し不親切に感じます。もし自分が海外に行って、知らないうちにマナー違反をしていたら「誰か指摘してくれればいいのに」と思いますよね。どうしても直せない場合もあるかもしれませんが、「日本ではこうしていますよ」とは伝えた方がよいのではないでしょうか。

マナーによるトラブルや、交通ルールの違いによる事故が起こるケースもあります。その前にちょっとした声掛けで、未然に防げればいいですよね。そこで気になってしまうのが、やはり言葉の壁。しかしコミュニケーションには、言葉以外の方法もあります。


海外コミュニケーション


言葉がわからなくても、積極的な姿勢が大切

私は街中で、さまざまな人からよく声をかけられます。英語も下手ですが、英語圏ではない国の方に道を訊かれることもあり、身ぶり手ぶりや地図を使って必死に説明します。

私たちに足りないものは、語学力より、積極的な姿勢なのかもしれません。「自分の語学力では対話できない」と遠慮する人も多いようですが、言葉がうまく伝わらない・理解できない場合でも、コミュニケーションを助けるツールはたくさんあります

 言葉以外で伝える方法 
  • 翻訳アプリやジェスチャーを使う
  • 地図やイラストを見せて確認する
  • いける範囲だったら、実際に連れて行く
  • わからないことは正直に伝えるか、その場で確認する


言葉が聞き取れても、行き方を知らない場合もあります。知っている情報を、はっきりと伝えましょう。

 なくても大丈夫なもの 
  • いつでも笑顔(気持ちが伝わりにくい)
  • わかったふり
  • 完璧な言語能力


空気や雰囲気をよくしたい日本人は、その場の会話を円滑に進めようとしますが、「ずっと笑っていて感情がわからない」「こちらの話は伝わったのか」と思われる場合もあります。曖昧な表現は不安になるかもしれない、と考えてみてください。間違いを恐れすぎず、情報を届ければ、思いやりは伝わります。

言葉がわからない、文化の違いがあるのはお互いさま。しかしそうした壁を気にせず、個人と個人で対話できるのが、本当の多様性社会ではないでしょうか。「外国人だからこう」というイメージをなくすため、一人ひとりの意識から変えていきませんか?


この記事のまとめ
  • 海外の人と話すとき、言葉や文化の違いで壁を感じていないか
  • 目の前の人を外国人としてではなく、個人として接しよう
  • 困っている・トラブルにつながりそうな場面では、ひと声かけよう
  • 言葉以外のコミュニケーション手段も取り入れよう

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