2020年7月、レジ袋が有料化されました。「ごみ袋として再利用していたのに」と残念に思う人は多かったようですが、「自分の市は指定のごみ袋があるから、無縁の問題だ」と感じる人もいるのではないでしょうか。
ごみ袋の指定や値段・分別方法は、自治体によって異なります。「指定の袋はない方が、楽だし金銭的負担も少ないのに」と感じる人もいるでしょう。しかし指定があるからこそのメリットもあります。
レジ袋やごみ回収の有料化は、ごみ削減のために導入されました。平成30年に閣議決定された「第四次循環型社会形成推進基本計画」では、「1人1日当たりに家庭から排出するごみの量」を、2025年度に約440グラムにすると目標設定されています。
<参考:環境省/第四次循環型社会形成推進基本計画の概要>
分別も資源を増やすためですが、毎日の積み重ねになるため、より簡単な捨て方の市に住みたい、と考える人もいます。環境問題以外でも、出し方をめぐって近隣とのトラブルになるなど、身近で大きな問題です。みんなが気持ちよく過ごすための、ごみの出し方を考えましょう。
負担もあるごみ処理有料化のメリットとは?
環境のためには、ごみの分別をして再利用する手段もありますが、ごみの量を減らすことが大切です。
ごみの量を減らす工夫
- 食べものを残さない
- 使えるものは長く使う
- 使い捨てをやめ、つめかえ商品を使う
- エコバッグやマイボトルを使う など
さらにごみ減量の意識をもつために、各自治体によって、ごみ処理(ごみ袋)の有料化が導入されたのです。有料化されたのは可燃ごみ・不燃ごみで、分別による資源回収は無料となります。
有料化のメリット
- ごみを削減・分別する意識や責任が持てる
- ごみの量が「見える化」する
- ごみ収集の費用が公平に徴収できる
有料化のデメリット
- 市民の負担が増える
- 不法投棄・ポイ捨てが増えるかもしれない
- ごみ収集の費用が公平に徴収できる
東京都23区や大阪市などでは、指定の袋はなく、半透明・透明の袋と指示されています。
人口の多い都市は、市民の負担やポイ捨ての増加などを考えて、無料にしているようです。しかし透明の袋は、プライバシーが守れない場合もあります。自治体によって決まりは異なるため、「分類や有料化はなくてもいいのでは?」と感じる人もいるかもしれません。しかし決まりが厳しいけれど、ごみを減らせた市もあります。
ごみを削減させた有料化・厳しいマナー
野田市は平成7年度より、指定ごみ袋制度を導入し、平成12年度から細かい指定がはじまりました。
野田市のごみ出しルール(市のホームページ参考)
- 袋は可燃ごみ・不燃ごみ用あわせて、年間120枚の支給制
- 不法投棄・ポイ捨てが増えるかもしれない
- ごみ収集の費用が公平に徴収できる
厳しい指定ですが、1人1日のごみの排出量は、有料ごみ袋導入前の平成6年度から7年度では329.37グラム減量し、それ以降も市民の意識は高く保たれているようです。
平成6年度 1,033.38グラム → 平成7年度 704.01グラム
平成12年度 707.62グラム → 令和元年度 583.59グラム
野田市の令和元年度の実績値は、事業系のごみを除くと、410.13グラムとなっており、2025年度の国の目標値を大幅に下回っているそうです。負担に目がいきがちですが、ごみ袋の有料化やごみ出しのマナーは、市民の意識を変え、ごみの削減に役立っています。一人ひとりの積み重ねで大きな削減が目指せるよう、
自分の自治体のルールを確認してみましょう。
未回収・近隣とのトラブルを防ぐためには
自分の出したごみ袋が回収されていなくて、少し恥ずかしい思いをしたことはありませんか? ごみ出しのルールは、自治体によって異なります。とくに転居してまもなくは「前住んでいた市では、この方法だったから」と出したものが、回収されないことが起こりやすいです。
確認する出し方
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指定の場所
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住んでいる場所によって、どこに捨てるか決められています。場所を守らない場合は、不法投棄になる可能性があります。
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分別
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どの分類になるか、自治体で異なることも。可燃で捨てられたスプレー缶が爆発するなど、分別がされないと危険なものもあります。
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日時
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ごみを出せる曜日、時間は決まっています。当日の朝以外は、ごみが出せない地域もあるようです。
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指定の袋があるか
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自治体の指定を確認し、購入しましょう。違う袋では、回収されない場合がほとんどです。
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資源ごみの分別
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資源はきちんと回収されれば、再利用されます。容器はきれいに洗いましょう。
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粗大ごみの処理方法
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処理方法によっては、不法投棄になる可能性があります。料金や、回収の何日前までに連絡が必要かを確認しましょう。
それぞれ自治体によって違いがあるため、ホームページや分類表を確認しましょう。また出したごみは、生活やプライバシーのわかりやすいものが多いです。個人情報が書いてあるものは、記載内容がわからないようにするなどの配慮が必要です。
ごみ出しのマナーは、市民が気持ちよく暮らすためにも必要です。目につきやすく、トラブルの原因にもなります。正しい出し方は街も清潔に保ち、分類によってごみの削減も期待できます。気持ちよく過ごすため、分類や有料化の理由とともに、自治体の決まりを確認し、マナーを意識しましょう。
この記事のまとめ
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ごみ処理有料化によって、ごみの削減や分別を意識するようになる
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逆にポイ捨てや市民の負担を考え、人数の多い都市は無料回収にしている
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有料化や厳しい決まりにより、ごみを減らせた市もある
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気持ちよく過ごせるよう、マナーを守ったごみ出しを心がけよう