2020.07.27 17:00

「そろそろ旅行に行きたい」はまだ早いのか
開始する国のキャンペーン。注意点や新たなマナーとは



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夏休みや、秋の行楽シーズン。外出したくなる季節ですが、「毎年旅行に行っていたけど、今年は例年通りにはいかない」という人も多いと思われます。

今年はゴールデンウィークも、家でいつもと変わらない生活を送る人が多かったようです。その影響で2020年5月分の消費支出は、前年同月と比べ16.2%減少しました。3月4月に続く、減少傾向となっています。
<参考:総務省統計局/家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)5月分 (2020年7月7日公表)>

消費の傾向別に見ていくと、2020年5月の消費行動に大きな影響が見られた品として、旅行に関するものが減少傾向にあります。宿泊料は97.6%、パック旅行費は95.4%減少しました。鉄道運賃は86%、バス代は75.9%の減少など、交通に関する消費も減っています。
<参考:総務省統計局/新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など>

外出制限がされるなか、老舗の旅館が倒産したなど、観光業界に被害が出ているニュースを多く耳にしました。人を集めようと、80%以上の割引を実施するホテルなどもあるようです。こうした状況で観光への需要を呼びかけ、人を集めようと、国や自治体がさまざまなサービスやキャンペーンを実施しています

「せっかくならお得に旅行したい」「感染が心配な時期。まだ早いのでは」など、たくさんの人が注目し、さまざまな意見が見られるキャンペーン。対象やサービス、注意することを見ていきます。


「Go to キャンペーン」ってどんなもの?

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出制限が出され、観光などさまざまな業界が被害を受けています。そこで人びとに呼びかけ、地域に人の流れをつくるための官民一体型の需要喚起キャンペーンが8月より随時導入されます。それが「Go to キャンペーン」です。

◯ Go to Travel キャンペーン 
申し込まれた旅行に対し、代金の1/2相当分のクーポン・割引(最大1人1泊あたり2万円分)。旅行業者のほか、宿に直接予約をした場合も対象となる。クーポンは電子版も対応。 
◯ Go to Eat キャンペーン 
オンライン飲食予約サイト経由での飲食店の予約・来店に対し、飲食店で使えるポイント(最大1人あたり1000円分)、2割相当分の割引食事券などが発行。 
◯ Go to Event キャンペーン 
チケット会社経由で購入したイベントチケットに対し、2割程度の割引・クーポンを付与。 
◯ Go to 商店街 キャンペーン 
商店街などイベント開催・プロモーション・ 観光商品開発などの実施。
<参考:国土交通省/令和2年度国土交通省関係補正予算の概要>

1兆6,794億円の予算が組まれた、大規模なキャンペーンとなっています。なかでも注目される「Go to Travel キャンペーン」は、7月の4連休に間に合うよう、開始が前倒しされました。

また多くの自治体で、県民による県内旅行向けの割引やサービスが実施されています。長野県は県民向けに、6月に「長野県ふっこう割」、7月に「ディスカバー信州県民応援割」を実施しました。宿泊割は最大5,000円の割引が適応され、さらに2,000円分の観光クーポンがつきます。また、お出かけ割として、体験やみやげもの・飲食店で使える1,500円の観光クーポンを1,000円で販売しました。三重県などでは、県と国のキャンペーンが併用できるようです。

一見安く旅行できるお得なキャンペーンですが、「まだ安心して旅行はできない」など、心配する意見も多く聞かれます。キャンペーンを利用する、旅行にいく際に注意することを考えます。


旅行を計画する前に見極めることは?

「Go to キャンペーン」は新型コロナウイルス感染の状況を見極めつつ、観光地全体の消費を促進して、甚大な被害を受けている観光業などを支援する取組です。感染対策の徹底は前提ですが、1度に多くの人が移動し、密集する環境ができれば、感染リスクや人びとの不安は高まります。「お得に旅行ができる」と飛びつかず、感染状況を見ながら計画を立て、自分のなかで不安があるうちは控えた方がよいでしょう。国のキャンペーンの実施は、来年3月もしくは予算を使い切るまでと予定されているため、今すぐ利用しなくても大丈夫です。

また6月19日、旅行者向けに感染防止の注意点をまとめた「新しい旅のエチケット」が公表されました。感染対策としてマスクの着用や手洗い消毒、体調管理を心がけ、周りの人との間隔に注意します。混雑を避け、余裕を持った行動ができるよう、旅先の状況を確認して予約をとり、スケジュールを組みましょう。すいている時間や場所を選べるため、状況がつかみやすい県内や近場の旅行が向いています。
<参考:国土交通省/新しい旅のエチケット>

キャンペーンについて「システムがよくわからない」という意見も聞かれます。旅行者は申請書や領収書による申請が必要であるなど、注意することも多く、情報も随時更新されています。7月13日、観光庁はキャンペーンに関するよくあるご質問を公開しました。旅行の前には、その時点で必要な情報を見極め、収集する必要があります
<参考:観光庁/Go To トラベル事業 よくあるご質問(FAQ)(7/13(月)時点版)>

「観光を支援したいが、まだ心配がある」という人は、旅行はもう少し先にした方が安心です。先払いシステムやオンラインでの支援など、今の自分にできる支援を探すのも1つの方法です。情報を集めながら、自分になにができるか考えることが、無理のない支援になります。収束後を思い描き、情報を集めながら、感染対策と支援を考えていきましょう。


この記事のまとめ 

✔︎ 旅行への需要が下がり、観光業界に影響が出ている

✔︎ 人の流れをつくるため、国は「Go to キャンペーン」を実施

✔︎ 自治体も、県民による県内旅行のためのサービスを実施

✔︎ 情報を集め、自分にできる感染対策や支援を考えよう

(執筆:林幸奈)

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