2020.06.26 17:00
「自粛ムードが息苦しい」は不謹慎ですか?
ネガティブな情報や同調圧力とつきあうには

写真
イベントのチケットに「天災などの非常事態、不可抗力による公演中止の際の払い戻しについて」と書かれているのを、目にしたことはあるだろうか。そんな非常事態、いつ来るのだろうと思っていたが、3月に現実となってしまった。

新型コロナウイルス感染症が広がる中、大規模なイベントが自粛を要請された。休校や自宅通勤の影響で人々の外出も控えめになり、街は閑散としている。オリンピックも一年程度の延期が決定した。人々の楽しみがなくなるだけでなく、経済面でも深刻な問題となっている。

不安を誰かと共有したいなか、生活スタイルの変化により、コミュニケーションの機会が激減してしまった。卒業や新生活の季節だが、休校要請により、卒業式や終業式を迎えられなくなった生徒は多い。

突然のことに、生活も気持ちも慌ただしいものだろうと想像できる。今後も緊張は続くとされ、多くの大学が、4月初旬からの授業開始を延長した。休校は国外でも、イタリアは6月までフランスは9月まで実施されるという。


2019年は年号が新しくなり、2020年のオリンピックイヤーに向けて、人々は明るく前向きな気持ちでこの春を迎えていたはずだ。その分だけ、人々の落ち込みは大きいように感じる。

自粛ムードがただよう非常時。孤独で閉塞的な生活はいつまで続くのだろうと、ストレスがつきまとう。私たちは、日常生活をどこまで自粛すればよいのだろうか。どうしたら先の見えない息苦しさから少しでも解放されるか、考えていく。

非常時のストレスから攻撃的にならないためには?

自粛ムードは、言動や娯楽などを慎む風潮のこと。東日本大震災などの自然災害では、被害を受けた人の気持ちを考慮したものだった。反対に「こうした時だからこそ前向きになろう」という声も上がり、希望を見出そうという活動がはじまる。しかしコロナウイルスによる自粛は、人と人との接触による感染を防ぐためのもの。被害を縮小するためのやむを得ない手段で、前向きな意見はできない風潮にある。

その結果、人々は感染予防に敏感になり、気軽に外出をする人やマスクをしない人は、危機管理がなっていない人と見なされた。「なぜ同調しないのか」「なぜ自分だけ制限されているのか」といらだってしまうほど、緊張が張りつめられ、人を攻撃的にしていく。

日本人は協調性を重んじ、空気を読む文化がある。「多数派に合わせるべき」という同調圧力に影響を受けやすく、一つの輪から離れて行動することが難しい。同調はいつの間にか必須事項になり、はみ出す人が悪者になる。こうした動きから、自分の意思で発言できなくなり、ますます意見は一色に染まる。


直接のやりとりだけでなく、現代はインターネットの発達により、多くの人の目に入る場所に自分の意見を発信することが簡単にできる。極端な意見であっても、個人の主張として認められる。自分と違う意見を発見し、すぐに批判することも容易にできてしまう。

人々は不安なとき、誰かと気持ちを共有したくなる。しかし共感性が高い日本人は、共有し同調するだけ不安を大きくしていないだろうか。共感が強い人は相手の立場によりそって考え、思いやりをもつことも得意なはず。すべての人が同じように不安であることを考慮し、ネガティブな意見の拡散は止めよう。


暗いムードに負けず心身を健康に保つためには?

非常時は不安に包まれ、自宅待機や自粛ムードで行動も制限され、ストレスがたまる。暗いニュースが溢れて、攻撃的で極端な人の意見も耳に入る。そうと知っていながら、人々はなぜ情報を求めてしまうのだろうか。

先が見えないときこそ、人々は明るく希望的なニュースを求める。コロナウイルスの混沌で人々が求めたのは、予防法だったように感じる。「マスクがあれば、感染症にかからない」という思いからマスクは買い占められ、不確かでも効果があると言われるものに人々は飛びついた。

自分に都合がいいニュースによって安心すると、たとえ不確かな情報でも、疑うことをやめてしまう。発信源を確認し、ネガティブな情報が飛び交うSNSやテレビを控えることで、まとわりつく不安要素を排除できる。自治体のホームページなどの信頼できる情報源は、事前に確認しよう。

即効性のある予防法は疑わしい。


◯バランスのいい食生活
◯適度な運動
◯適度な睡眠(起床就寝時間をずらさない)
◯手洗いうがい
◯咳エチケット(マスク着用などで口を覆う)

といった基本的なことが、免疫をつけ、どんな感染症にも当てはまる確実な予防方法だ。
<参考:首相官邸/感染症対策特集~様々な感染症から身を守りましょう~>

生活リズムが崩れる非常時も、心身共に健康を保つため、できる限り規則正しい生活を心がけよう。非常時に必要なのは身を守り、自体を一刻も早く収拾させること。一つの空気に染まることでも、はみ出すものを規制することでもない。

周りの意見を聞き、情報を集めることも大切だが、なによりも自分の気持ちが大切。心身共に健康を保ち、正しい情報から解決策を考えていこう。


この記事のまとめ 

✔︎ 日本人は同調圧力の影響を受けやすい

✔︎ 非常時こそ、人を思いやる気持ちが大切

✔︎ ネガティブな情報には極力触れず、正しい情報を見極めよう

✔︎ 生活リズムを崩さず、心身ともに健康的な生活を心がけよう

(執筆:林幸奈)

コメント: 0