2020.06.15 16:00
学校やメディアから刷り込まれる男女格差
性別による決めつけを悪意なくしていませんか?

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あなたは「女らしい」「男らしい」という言葉でだれかを表現したことはありますか?だれもが1度はあるのではないでしょうか。

生まれ持った性別ではなく、社会的・文化的につくられた「女らしさ」「男らしさ」などの性別をジェンダーといいます。

ジェンダー意識は、人の成長過程でどんな言葉を受けたかによってつくられるもので、子供のころに大人から「女の子なんだから」「男の子なんだから」と言われることは、個々のジェンダー意識に大きな影響を与えるでしょう。

男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数の調査(2018年)で、日本の総合スコアの順位は149か国中110位(前年は144か国中114位)でした。下位から数えた方が早い順位・・・世界的に見て「日本は男女格差がある国」だということを自覚しなければなりません。
<出典:男女共同参画局 / 「共同参画」2019年1月号>

そもそも、偏見のない人などいません。人は悪意がなくても自分の世界を基準に考えてしまいますし、過去に見聞きしたことのある範囲でしか想像できないのです。そこで大切なのは、自分には偏見があると自覚し、無意識のうちに自分とは違う人を傷つけていないか、そう考えてみることではないでしょうか?

今回は、私たちのなかに潜む無意識のジェンダーギャップについて知り、考えるきっかけにしたいと思います。

学校で刷り込まれる10のジェンダーギャップ

学校は集団生活をしながらさまざまな人々との付き合い方を学ぶ場でもあります。
今でこそジェンダー教育に意識が向いてきましたが、ひと昔前にはあたり前に男女差別があり、勝手なイメージで正当な理由なく性別の枠に当てはめられていました。

地域や校風によっては、今でも無意識の差別が残っているところもあるでしょう。たとえば、こんなイメージを持っている(いた)人はいませんか?
〇 行事の入場など先頭を行くのは男子、そのつぎに女子
〇 式典のときに男子は手を軽く握るべき、女子は両手を重ねるべき
〇 男子は青、女子は赤
〇 男子はズボン、女子はスカート
〇 男子は理系、女子は文系
〇 男子は4年制大学、女子は短大でもいい
〇 男子は技術が得意、女子は家庭科が得意
〇 運動部のマネージャーは女子がいい
〇 男子は柔道・剣道、女子はダンス
〇 座席は男女別にするべき


まずは教師や保護者が意味のないルールや誤った認識を改め、学校が子供たち個人の能力や特性を発揮できる場になっていってほしいです。そのためには、子供たちが「なぜこのルールがあるのか」を考え、不要だと思えば大人に意見できる環境である必要があります。

差別は自分とは違う考えをもつ人を排除しようとすることで、いじめの原因にもなり得る危険な考え方です。大人と子供、子供同士、大人同士のそれぞれが、しっかりと対話する時間を大切にしていきたいですね。



メディアや広告で刷り込まれる10のジェンダーギャップ

私たちが家や街で目にする機会の多いメディアや広告。スマホの使用時間が長くなっていることもあり、何の違和感も持たずにジェンダーギャップを受け入れてしまっているかもしれません。

たとえば、こんなシチュエーションはありませんか?

〇 エステやコスメなど美に関する広告モデルが女性ばかり
〇 キッチン用品の広告モデルが主婦をイメージした女性ばかり
〇 缶コーヒーの広告モデルが働く男性ばかり
〇 働く人向け商品の広告モデルがスーツを着た男性ばかり
〇 アニメや漫画の女性キャラクターばかり体の一部を主張した表現がされている
〇 テレビ番組のメイン司会者は男性、アシスタント役は若くてきれいな女性
〇 男性芸人よりも女性芸人の方が「ブス」などの容姿いじりをされている
〇 若い女性タレントが露出の多い衣装や愛嬌を求められている
〇 テレビ番組の体を張る企画は出演者が男性ばかり
〇 若い男性俳優・タレントの筋肉を中年女性タレントに触らせる演出

性別によって役割や目指すべき姿が決めつけられた表現は、だれかを傷つけます。そして、見る人たちに「男は〇〇」「女は〇〇」のような偏ったイメージを植え付け、無意識の差別を許す世の中をつくってしまうのではないでしょうか。

子供のころから長い時間をかけて刷り込まれた価値観は、容易には変えられません。

作り手がすべてに対応することは難しいですが、受け取る側が疑問を持ち、おかしいと思ったら声を上げられる社会にしていきたいですね。


この記事のまとめ 

✔︎ 日本のジェンダー・ギャップ指数は149か国中110位と非常に低く、世界のなかでも「男女格差がある国」であるといえる。

✔︎ 
私たちは子供のころから、学校で無意識のうちに偏ったジェンダー意識を刷り込まれている。

✔︎ 大人と子供が、誤った認識や不要だと思うことをしっかりと対話できる環境をつくることが大切。

✔︎ 私たちは日頃から、性別によって役割や目指すべき姿を決めつけられたメディアや広告をよく目にしている。

✔︎ 受け取る側が疑問を持ち、おかしいと思ったら声を上げることが大切。


(執筆:佐藤志乃)