2020.07.01 15:00
コロナで変わる生活、立ち向かう大学生。
学費減額に声をあげ、オンラインで交流を続ける強さ

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新型コロナウイルスの感染拡大により、小中学校・高等学校などは3月2日から春休みまでの休校要請が発表された。

大学でも新学期以降、安全に授業をするため、以下の事例が要請された。

◯衛生環境の整備
◯行事開催の工夫・延期
◯オンライン授業の推奨
◯海外渡航の是非・延期の検討 など
<参考:文部科学省/令和2年度における大学等の授業の開始等について(通知)>

春は出会いと別れの季節であったが、今年は卒業式や入学式が中止になった学校が多い。新生活を迎えた大学生は、今も不安な状況が続いている。


大学構内への入場も禁止され、図書室などの施設も閉鎖された。新学期になっても、授業が開始できない。春学期はオンラインやテレビ電話で遠隔授業を行うと、決定した大学もある。開始が遅れた今年は、必要な授業時間が確保できるのか。評価や取得単位はどうなるのかと、不安は多い。

海外への渡航が制限され、旅行だけでなく留学が中止になった学生もいる。不安ななか留学先で過ごす人や、「せっかく留学したのに、オンライン授業を受けることになった」という不満もあるらしい。

サークルなどの課外活動も中止になった。このような状況で、すでに秋の学園祭を開催しないと決めた大学もある。さらにアルバイト収入や親の経済状況に変化があり、学費が払えなくなる学生もいる。貴重な時間である大学生活にさまざまな制限がされ、不安や不満が溜まっている。

さまざまな問題に声をあげ、行動している大学生や、取り巻く状況を見ていく。

学費減額を求める学生への支援とは?

コロナショックのなか、大学生を最も苦しめているのは、学費の問題だ。学生からは、学費の減額や免除を求める声が上がっている。

大きな理由のひとつは、感染拡大による経済面の影響。親や自分の経済状況が変わり、学費が払えず休学や退学を検討したり、一人暮らしを中断したりするケースもあるという。


さらにオンラインが中心の授業に対して、今まで通りの学費を払うことへの不満がある。医大や美大など、実習が多い場合も、学校に入れず設備が使えない。そもそも5月末まで1度も授業がなかった大学は多いが、学費は今まで通りの金額となっている。

政府は、アルバイト収入の減少した学生が、学びを継続するための「学生支援緊急給付金」を導入した。アルバイト収入で学費・生活をまかなっているなどの要件を満たす学生が、支給対象となる。金額は住民税非課税世帯の学生が20万円、それ以外が10万円だ。
<参考:文部科学省/「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』>


2020年4月からはじまった高等教育修学支援新制度は、世帯(家族)の収入が減少した家庭などが想定されている。授業料や入学金の免除・減額と給付型奨学金の支給がされ、学生支援緊急給付金、既存の無利子奨学金との支援策との同時利用もできる。
<参考:文部科学省/新型コロナウイルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ>


大学も独自に支援金制度や、オンライン授業に向けた環境整備の費用・パソコンなどの支給を導入した。たとえば千葉大学では10万円支給や授業料免除など、総額3億円規模の支援事業が実施される。

またクラウドファンディングなどで、私たちもできる寄付の場も設けられている。今後も経済への影響は続くことも想定されるため、継続的な支援が期待される。



卒制展・新入生歓迎の役割を果たしたSNS

今年3月。感染拡大防止のため、美術館や博物館が休館となるなか、多くの芸術大学が卒業制作展を中止した。そのような状況でも、学生は作品の公開はあきらめなかった。作品はホームページで公開するほか、「かってに卒制展」などのハッシュタグとともに、SNSで閲覧できるようにした大学が多い。

孤独に過ごす大学生は、SNSで声をあげはじめた。不安をもらすだけでなく、同じ立場の学生とのつながりを求めている。


今年入学した新入生は、入学式が中止になり、大学に足を運べないなか授業が開始された。なにもわからないまま授業を登録し、課題に取り組んでいるという。とくに地方出身者は、実家でオンライン授業を受けていたり、生活をはじめたばかりの下宿先で孤独に過ごしていたりと、新生活がスタートした実感は少ないようだ。

また4月は、本来なら新入生歓迎の盛んな時期だが、学校への出入りできない。そんななか、学生たちはインターネットを使って、サークルの勧誘をはじめた。さらにテレビ通話などを用いて、新入生の相談に乗ったり、交流の場をつくったりしている。新入生もSNSのプロフィールに大学名を入れるなどして、同じ大学の人と交流しようと取り組んでいるという。

インターネット上の発言は軽く見られがちかもしれないが、行動が制限されるなか、学生たちは自分にできる手段で声をあげている。自分や仲間の生活を守るため、ときには政府や大学にも現場の声を届けている。

こうした学生の頑張りに、ぜひ目を向けてほしい。また一刻もはやく、安心して充分な授業が受けられる環境の保証されることを願う。

この記事のまとめ 

✔︎ 新型コロナウイルスの感染拡大により、大学生の不安や不満が高まっている

✔︎ 行動が制限され、今まで通りの学習ができてない

✔︎ 学費の減額が求められ、政府や大学は支援を導入している

✔︎ 学生SNSで声をあげ、作品の公開・問題提示・学生間の交流を行なっている

(執筆:林幸奈)

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