Episode 4
幼少期の「好き」を仕事に人づきあいが苦手な少年だった、お魚研究者。


世間では「好きなことを仕事にしない方がいい」、「楽しいだけでは仕事にならない」
と言われることがある。

経済環境や家庭環境を考えると一理あるが、それでも好きなことを仕事にしている人たちがいる。

その人たちは人生に満足しているのだろうか。幡谷雅之さん(東海大学海洋学部非常勤講師)に、
どのように自分の「好き」を深め、仕事にしていったのか話を伺った。
水産の道を志したきっかけは、子どものころから生き物が好きだったからです。小さいころは沼や田圃へ魚やザリガニを釣りに行き、夏休みになると毎日のように森や林を飛び回って昆虫採集に明け暮れていました。

しかし、高校生になると、まわりの同級生たちが東大を目指して猛勉強しはじめました。当時の私は吃音や人づきあいに悩み、人生そのものに消極的でした。

私は華々しい勝ち組人生を歩むことなどまったく考えられず、人間同士の付き合いは最小限にすることにしました。

将来は、好きな生き物を相手に研究がしたいと思うようになったのがこの頃です。さまざまな生き物の中から魚を選んだ理由は、人間と違って暖かい血が流れていないからです。
その後、県の水産試験場に勤めることとなり、現在にいたっています。当時を振り返ってみると、高校から大学に進学するタイミングが人生の岐路だったと推察され、あのときの選択はまんざら間違いでもなかったようです。

今の自分に満足していると語る幡谷さん。研究者こそ人づきあいが求められると言われる時代だが、「何を研究するか」、「どこで働き、何を目指すのか」によって話が変わってきそうだ。

研究と一括りで言っても、その環境や内容は多岐にわたる。




▼ ゲスト紹介
幡谷雅之(はたや・まさゆき)。
東海大学海洋学部非常勤講師。