2019.11.08 11:00

Episode 1
仕事をしながら大学で学ぶ「トキ」を守るために一念発起。
就職後に修士号を取得した研究者。


社会人として航空機整備の仕事をしながら、放送大学1期生として絶滅危惧種であるトキの研究に取り組んだ後藤袈裟登さん(修士、日本鳥類保護連盟会員)に、どのような思いで研究してきたのか話を伺った。
40年以上に渡ってトキの研究をしてきましたが、きっかけは社会人になってから博物館で標本を見たことでした。剥製でしたが美しい姿かたちをしていて、とくに嘴はなんともいえない優雅さがありました。

この鳥が空を飛ぶ姿が見られたらどんなに素晴らしいだろうと思ったことを強く覚えています。 この日以来、トキへの関心が深まり、研究にのめり込んでいきました。

トキについて知れば知るほど、深刻な環境問題に直面し、学術的に学ぶ必要性を感じたと語る後藤さん。
私たち人間は火を使い文化を発展させてきましたが、その火でかけがえのない自然を破壊してきました。その結果、緑が減少し、日本産トキは絶滅しました。愛するトキを守るために、自然に対する認識を広げ、新たな知識を得るための専門的科学が必要だったのです。

トキにとってよい自然環境は、人間にとってもよい環境であるといえます。私なりの勇気が、未来の希望になることが喜びでした。

社会人と学生の両立は、体力的にも精神的にも苦労が多く、目的意識が明確でなければできないことだ。トキを守りたいと思う情熱が、後藤さんを動かしたことは間違いない。

その情熱は大学での学びに留まらず、中国トキ保護観察団に初回から8年連続で参加するなど、年月が経つほど熱くなった。その後、長年に渡って研究者など多くの人々が保護活動に取り組んだおかげで、トキは野生絶滅から絶滅危惧種に見直しがされるなど、絶滅の危険度が1ランク下がった。

後藤さんの情熱の火は、希望となって未来につながったといえるだろう。


▼ ゲスト紹介

後藤袈裟登(ごとう・けさと)。
修士、日本鳥類保護連盟会員。