2019.11.15 17:00

第一章
しらけムードからあきらめムードの格差社会へ
黒長澳(元幼稚園園長)


平成30年度、全国の小中高校で認知されたいじめの数は、54万3,933件と過去最多を記録した。
<参考:文部科学省 / 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果>

自身は戦後昭和22年に新制中学校に入学したという、黒長澳さん(元幼稚園園長)は、現在の陰湿で継続的ないじめについて、社会的背景からこう語っている。
教育内容のレベルアップから生まれた偏差値などの数字は、いわゆる「落ちこぼれ」を生み、「三無主義(無関心・無感動・無気力)」といわれる子供が増えました。

やがて「三ず主義(学ばず・遊ばず・働かず)」へと変化し、しらけムードが拡がっていきました。

これが不登校や陰湿ないじめ、校内暴力、家庭内暴力などを引き起こしたのではないでしょうか。

今の日本が掲げる「だれもが能力を活かせる社会」は建前で、進学や就職のタイミングで格差社会を実感する若者たちが多くいます。

このようなあきらめムードが、殺伐とした社会をつくる要因になっていると考えています。
学校内でのいじめに焦点が当てられたのは、1970年後半だった。同時期のは1977年には、教育過程の全面改訂が告示された。

子供たちの不安や心の動きが、こうした問題に繋がっている可能性はありそうだ。


▼ ゲスト紹介

黒長澳(くろなが・ふかし)
元幼稚園園長。
1934年
  広島県呉市生まれ。本名、黒長澳。玉川大学文学部教育学科卒業。学校法人理事。
1956年
  小学校に赴任。定年退職後、幼稚園勤務6年。
2000年10月
  幼児教育の理論と実践の書「ふだん着の園長」(渓水社)を出版。読者の依頼で、保育園・小学校・青年会議所などで講演。「空からお金が降って来る」は第15回フーコー短編小説コンテスト優秀賞作品。