2019.12.27 10:00
「行動力」が人生を豊かにするワケとは?
 自分がやりたいことと向き合い、自分だけの基準を見つける大切さを考える

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あなたは今、自分がやりたいことを自由にできていますか?

スマホがあれば新しいことに挑戦できる時代、成功のカタチに正解がないからこそ、人はどんな行動を選択したらよいのか迷う。


政府は働き方改革で「多様性」や「一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」を大切にしており、これからの時代は「自分らしさ」とより深く向き合うことが必要になる。

厚生労働省によると、新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)は、就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者39.2%、新規大卒就職者32.0%となっている。約三人に一人の割合だ。

入社したら定年まで勤め上げるものという考え方は変わった。キャリアアップのために転職する人、自分のやりたいことがハッキリしていてフリーランスになる人、働く中で新たにやりたいことを見つけて起業する人など、「現状に満足できないなら変化すればいい」という前提で働く人が増えた。

フリーランスや起業といった雇用される立場にこだわらない働き方は、「自分の人生に責任をもつことの大切さ」を実感させる。

中小企業庁によると、1980~2009年に創設された企業のうち、10年後には約3割、20年後には約5割の企業が撤退したことがわかっている。
自分らしさを見つけるために必要なものの一つである「行動力」とは、新しいことをはじめる力だけではない。目標に向かうために、自分が進むべきはどの道なのか、見極める力だ。

そこで、3人のゲストから話を伺い、自分らしい人生を歩むために必要な「行動力」とはなにか考えていく。


行動力のある人がもつ自信と勇気を身につけるには
行動力が欲しいと思う人は、最初の一歩がなかなか踏み出せずに悩んでいるのではないだろうか。理想の自分と現実の自分、そのギャップが大きいほど、新しいことに踏み出すには勇気がいる。

小ノ上マン太朗さんは、着実に経験を積み重ねることが成功への鍵だという。

<ゲスト紹介>

小ノ上マン太朗(おのうえ・まんたろう)。
イベントプロデューサー、笑癒学研究家、NPO法人博多笑い塾理事長、日本笑い学会福岡支部支部長、株式会社P.E.R代表取締役社長、日本催事倫理協会会長。
EVENT know-how あなたの企画が感動に変わる実践書 の著者。


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 「行動力」がある人には「決断力」があります。それを身につけるために、まずはやってみましょう。「案ずるより生むが易し」というように、経験を積み重ねると物事の見え方が変わってきます。成功とは結果よりもプロセスにあるものです。

なりたい自分をイメージすることは大切だが、すべてが自分の思い描いた通りにはいかないのが人生だ。思い通りにいかなかったときにこそ、変化のチャンスがある。

もともと自分にある知識だけで行動していたら、そのチャンスをつかめないかもしれない、と小ノ上さんはいう。
経験から得る学びは尊いです。たとえば、いつも建物の中で快適にデスクワークをしている人に自然の恐ろしさを理解しろといっても難しいでしょう。

「決断力」がある人は、経験から得た知識・知恵をほかの場面でも活かせます。困難という壁にぶつかっても、やり方を工夫して新たな計画を考えてみましょう。柔軟性と勇気を持って行動に移すことが大切です。

多種多様な体験こそが知識であり、知恵であるといえます。それにもとづく決断の連続が「うまくいく」という自信を与えてくれるはずです。”
いきなり大きな成功を成し遂げなくても、目標までの道のりでたくさんの経験をしていけばよいのだ。そうして必要なものを身につけていこう。


世間体にとらわれず、幸せの基準は自分で決める
一歩を踏み出す勇気が大切だと頭ではわかっていても、新しいことをはじめるときに躊躇してしまうことがある。周りの目や自分の実力不足、経済的な問題などを不安に感じるからだろうか?

作家の坂根修さんは、不安に打ち勝って大きな決断をしながら生きてきた自身の体験を話してくれた。
<ゲスト紹介>

坂根修(さかね・おさむ)。
作家。
ブラジル物語』の著者。


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二十歳で大学を中退し、農業をしにブラジルへ渡りました。資金もなく言語もわからぬまま。政府から片道の費用を援助してもらい二度と帰れないという思いでブラジルに向かいました。

しかし挫折を繰り返し、結局日本へと戻ってきました。当時は青春をムダにしてしまったと後悔しましたが、その経験があったからこそ書けたのが『ブラジル物語』という小説です。”
1960年代のブラジル移住は今以上に珍しいことだった。移住を不安視する周りからの声よりも自分がやりたいことを優先し、行動に移した坂根さん。挫折を経験しても新たな道へとつなげられたのは、自分で決めたことだったからだろう。
 帰国後は大手のスーパーマーケットで販売促進マネージャーとして働いていましたが、退職して夢であった農業に転身しました。経済的には苦しかったですが、ブラジル生活で培った必要なもの・不必要なものを選択する力があったおかげでやってこれたのだと思います。

一緒に生活の知恵をつけていってくれた家族の存在も、大きな支えでした。
生活向上のためにいつも打開策を模索してきたこと、経験をもとに都市生活者の就農支援に携わってきたことは、今の自分に大きな影響を与えてくれました。人生は成功しなくても、経験が貴重です。人生を二度味わった私は幸せ者でしょう。
活かせる経験があれば、新しいことにも自信を持って挑戦ができる。自信があれば、周りからの声に揺さぶられることなく、自分の基準で行動ができる。ぶれない基準をもとに行動する人は周りから信頼される。

「行動力」がある人は、はじめから自信をもって行動できていたわけではない。良いことも悪いことも経験しながら自分と向き合ってきたのだ。自分で人生の舵を取り、自分だけの人生をつくっていこう。


夢が叶わなくてもムダではない理由とは? 
「やらない後悔よりやる後悔」という言葉がある。行動力のある人は、目の前にあるチャンスを「今しか与えられないもの」と認識して、逃すまいとしている印象がある。

作家の島之内健さんは、時代や家庭の事情という、どうにもならないと思われるものにも立ち向かった過去を話してくれた。
<ゲスト紹介>

島之内健(しまのうち・たけし)。
作家。
宿命の代償 世界の人々の知らないこと』の著者。
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“ 昭和12年、私は裕福な家庭に生まれました。しかし第二次世界大戦に敗れ、父親が他界し、中学を卒業する頃には貧乏人になっていたのです。高校や大学に進学する余裕などはありませんでした。”
中学生の進路決定は、家庭の事情が大きく影響する。家庭の経済状況から自分のやりたいことができない、と考える人もいるだろう。しかし、島之内さんは思い切った行動に出た。
“ 当時私は、国民的歌謡歌手の吉田正先生に心酔し、弟子入りを志願する手紙を出しました。

ダメもとのつもりでしたが、ある日突然、吉田正先生から手紙の返事が届いたのです。驚きながら中身を読むと、そこには「両親の承諾書」を送れと記されていました。”
吉田正(よしだ・ただし)

〇戦後を代表する国民的歌謡歌手・作曲家
〇レコード大賞を受賞した「誰よりも君を愛す」「いつでも夢を」をはじめとするヒット曲多数
〇1998年(平成10年)に永眠後、国民栄誉賞を受賞
“ 残念ながら父が他界していたため、夢は叶いませんでしたが、手紙をいただいたことは一生の宝として記憶に残っています。

ちょうどその頃、縁があって夜間高校に入学できました。中学時代の担任の先生が、「夢を捨てるな」と励ましてくれました。

叶ったものだけが夢なのではなく、いろいろな困難に直面しながらも挑戦することが夢なのだと思っています。
島之内さんにとって「挑戦した」ことは生きる糧となり、人生を支えた。思い切って行動をしたからこそ、憧れの先生から返事をもらえたのだろう。

たとえやりたいことが実現できなかったとしても、やれる限りのことをやったあとであれば、よりよい結果の受け止め方ができるだろう。
最善を尽くすことは結果的に気持ちを楽にし、人生を豊かにしてくれる。 


まとめ 
「行動力」とは「決断力」。経験から得た知識・知恵を活かし、柔軟性と勇気を持って行動に移すことが大切。

「自分にとっての幸せとは何か」と向き合い、自分だけの行動基準があれば、挫折を経験しても新たな道へとつなげられる。

〇 いろいろな困難に直面しながらも挑戦することが大切。最善を尽くせばよりよい結果の受け止め方ができる。


( 編集:佐藤志乃 / 制作:一条恒熙)