2019.11.21


愛する人と理解し合っていい関係を築く方法愛情と思いやりのちがいは何?〜
- 後編 -
見返りを求めない人になるためには?

では、自己愛ではなく無償の愛を注げる人になるためにはどうしたらよいのでしょうか。「見返りを求めない」とは何か、具体的に考えていく。

最愛の妻とふたりで癌治療に立ち向かった柴沢真也さん(詩人)は、言葉と行動で相手に気持ちを示すことが大切だと語る。

妻に対して、希望がある言葉を届けたいという気持ちがありました。本人の身体の痛みや不快感は、想像ができても代わってやることはできません。

「そうだな」「だいじょうぶ」と共感や励ましの言葉をかけることが、自分にもできることでした。

愛する人の介護は、間違いなく「見返りを求めない」愛のカタチだ。介護はする方もされる方も精神的・体力的に負担が大きい。

それでも、ただ生きてそこにいてくれるだけでいいという気持ちが生まれる。柴沢さんは、介護のなかで妻からツライ言葉をぶつけられたこともあったという。

 

妻は病気の影響で怒ることも多かったです。ですが、怒りが生きる意欲の表れならそれでもよいと思っていました。
この言葉から、すべてを超越した愛情があったのだとわかる。苦しい状況の相手を少しでも楽にしてあげたい、やさしさで包みたいという思いが介護のモチベーションだった。

ここまでの深い愛情は、特別な何かをしたからではなく、淡々とした日常をともに過ごしてきたからこそ育まれたものだ。

その長い時間のなかで、どれだけ相手を思う言葉や行動があったのだろうか。

さまざまな愛のカタチがあるが、自分のすべてを捧げられる人と出会える機会は貴重で、そこから得られる感情は尊い。


この記事のまとめ

〇思いやりは愛情表現のひとつで、言葉や行動を示すことが大切。

〇見返りを求める言葉や行動は相手にプレッシャーを与える。

〇相手の生きる力になり、お互いのプラスになるような言葉や行動を心がけよう。
▼ 作家紹介

柴沢真也
(しばさわ・しんや)
詩人。
風のつらら』の著者。