第一章
妬みは自信に換えられる


教員を退職後、精力的に執筆活動をつづけている清水直史郎さん(小説家、白亜美術協会会員)はいう。
そもそも、「今の自分を変えたい」と思っていること自体、とてもよいことです。なぜなら、妬む気持ちに少なからず後ろめたさを感じていて、前向きな気持ちに変えようとしているからです前向きな気持ちがある人が次のステージに進むためには、比較癖をやめましょう。

「他人がどうか」ではなく、「どんな自分になりたいか」明確にしてみましょう。妬みの先に目標を設定すると、具体的にどんな行動をすればよいか考えられるようになります。

小さなことでも自分基準で行動していくと、「なぜあの人はすごいのか」気がつくでしょう。妬みではなく他人を認める気持ちに変わっていきます。妬みには2種類あると言われています。
●良性妬み
自分自身をよくしたいと思う向上心

●悪性妬み
相手を傷つけたいと思う悪意・敵意


この良性妬みを維持することはむずかしく、設定した目標が大きすぎると、途中で心が折れてしまうことがあります。たとえば、「仕事ができる人になりたい」という大きな目標を立てたとしたら、そのための小さな目標が必要です。

●毎日同じ時間に起きて同じ時間に眠る

●メールはその日のうちに返す

●デスクの上をきれいに保つ

 

業務内容以前に、基本的なことだけでもたくさんあります。簡単に見えることでも、強い意志がなければ継続できません。小さなことを継続する力がついたとき、自分で自分を認められ、良性妬みが自信に変わるのではないでしょうか。


第二章
環境を変える行動力で人生が好転する


中谷庄一さん(高齢者問題研究家、大和銀行元社員)は、母親からのプレッシャーで自信が持てない高校時代を過ごしていたものの、大学入学を機に大きく変わったといいます。


高校3年生のとき、母親からの言葉に苦しめられました。「あんたが落ちたら私がアホやと思われる」。結局、第一志望の大学に落ちてしまい、「人生最大の失敗だ」と絶望的な気持ちになったことを強く覚えています。

その後別の大学に入学したのですが、とことん落ち込んだおかげで開き直りました。気持ちを切り替えて大学生活を送ろうと決意してからというもの、せっかく新しい環境になったのだから、自分の弱さと向き合ってみようと思ったのです。

たとえば、必要以上の授業を受け、とにかく勉強に励みました。そして、虚弱な身体を強くするために柔道部、人前で行動できるように合唱クラブに入部しました。
環境が変わると気持ちも変わります。中谷さんの場合、まずは新しい環境に所属してみたことがターニングポイントとなっています。環境を変えようと思ったとき、最初の一歩がなかなか出ないという人が多いです。

だれでも絶対に1つや2つ苦手なことや弱さがあるので、まずはできないことがある自分を認めてみましょう。「自分の現状を把握すること」、これが自分を変える行動の第一歩です。
人生で大きな失敗があっても、なんとかなるものです。そのときは深刻に考えるかもしれませんが、失敗は「なりたい自分になる」ためのエネルギーに変えられます。

新しいことにチャレンジすると、前よりも自分が好きになれるでしょう。歳をとった今も人前で歌うことをつづけていますし、歌でつながった仲間がたくさんいます。楽しい人生を送れています。
高校時代に母親の言葉にとらわれていた中谷さんはもういません。「母親がどう思うか」ではなく、「自分がどうしたいか」を考えるようになって人生が変わりました。

そう思えるようになったのは、環境の変化による影響が大きく、「できないけど、とりあえずやってみる」の精神が人生を変えたのです。


まとめ


●妬みは悪い気持ちではない。良性妬み(向上心の種)を育めば自信が持てる。

●環境を変えてみることは自分を変える一つの手段。とりあえず所属してみるのもあり。

企画・執筆:佐藤志乃
企画・制作:一条恒熙

▼ ゲスト紹介

清水直史郎
(しみず・なおしろう)。
小説家、白亜美術協会会員。
中谷庄一
(なかたに・しょういち)。
高齢者問題研究家(元大和銀行)。